ゆうゆう82号


2012年12月15日発行











日ごろな一枚



            



子育地蔵尊に着ぐるみが!?



事務所近くの商店街の、歳末大売出しでの一コマです。



ちびっこたちに大人気で、普段歩き慣れている道が突然にぎやかになっていました。



こちらにも手を振ってくれましたが、ちょっと気恥ずかしくて、いつもより歩きにくいような気も・・・。






1.「運動会の作り手」として参加 石田みづ紀





 去る11月23日(祝)、第8回新宿ライフケアセンター運動会が、戸山サンライズにて



開催されました。今年も、利用者やケアスタッフ、子どもたちなど、およそ50名が参加。



珍プレー好プレーありの熱戦が繰り広げられました。



 競技種目は昨年までと同じですが、使用する用具には、さらなる使いやすさを目指し



新たな改良が加えられました。約4時間に渡り8チームの真剣勝負が行われ、最終種



目を終えたときには、なんと2チームが1位タイ! 運動会はじまって以来の優勝決定



戦までもつれ込む、素晴らしい戦いでした。



 最後になりましたが、運動会開催に関わっていただいた多くの方々、本当にありがとう



ございました。そして来年も、熱く楽しい運動会をつくっていきましょう!





プログラム



 1.開会式



 2.徒競走(車いす競争)



 3.カローリング



 4.ふわっとコロコロ風船奪取



 5.障害物リレー



  6.休憩



 7.バルーンゴーゴー



 8.的当て



 9.スラロームリレー



10.閉会式



 今回でケアセンターの運動会への参加は2回目です。今年は、去年よりも少しだけ多く事前準備に関わらせていただ
きました。的あてに使う大きな布を縫い合わせたり、「風船奪取」という競技に使うブルドーザーにテープを貼ったり、メ
ダルにリボンを付けたりしながら、「運動会の作り手」としての立場を改めて噛みしめていました。去年はというと、ろくに
練習会にも出られず、運動会とはどういうものなのか、どのように進められていくのかもわからないまま参加しました。
事前の準備もお手伝いできなかったため、本番当日にたくさんの用具が並べられているのを見て、単純に「すごいな
あ」という感想しか持っていませんでした。去年は司会のサポートを務めさせていただいたのですが、その時も周りの動
きについていくのに必死で、自分が「運動会を運営していく」という意識はほとんど持っていなかったように思います。い
わば、「参加者」ではあったけれども、「運動会の作り手」ではなかったということです。 それに比べて今年は、事前準
備を多めにお手伝いさせていただいたのに加えて、司会進行を務めることになったので、どことなくプレッシャーという
か、責任感を感じながら参加していました。そのため、運動会が終わった後、「ああ、無事にトラブルなく終えられてよか
った!」という感動と達成感も大きく、少し力が抜けてしまいました。本来、運動会はケアスタッフが準備の担い手になる
もので、その上で利用者も含めみんなで作り上げているのだと気づいたことが、今回の一番の収穫だと思います。



   



                      



  



 その司会についてですが、去年はあくまで「司会のサポート役」だったので、本格的に司会進行をするのは今回が初
めてです。練習会では、上手く司会進行できるように競技のルール説明などを練習させてもらいましたが、それでも全
体的な司会進行のイメージがわきづらく、本番での不安が残ったままでした。結局、本番当日は大きな声を出して盛り
上げることに必死で何が何だかわからずに司会をしていました。そんな私を、周りのケアスタッフのメンバーはテキパキ
とフォローしてくれ、何とか無事に終えることが出来ました。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。参加者の皆さんの楽
しそうな笑顔が何より心に残っています。拙い司会でしたが、皆さんの楽しい思い出に追加されるような運動会であった
らいいなと思います。

 ケアスタッフの皆さん、利用者の皆さん、本当にありがとうございました!




2.ケアセンターあれこれ



11月



・運動会練習会3回

・第8回新宿ライフケアセンター運動会

・平成24年分 年末調整等説明会参加

・新宿区「障害者ホームヘルパー等研修会〜知的障害者の方の理解と援助〜」参加

・医療・ソーシャルワーク学習会参加

・平成24年度新宿区障害者福祉活動助成金 中間報告書提出

・ケアスタッフチームミーティング2回





12月



・新宿区「障害者ホームヘルパー等研修会〜身体障害者の方の理解と援助〜」参加






3.ためしてみました! 〜介護食〜



  介護食という言葉を聞いたことはありますか?

  加齢や病気、障害ゆえに噛む力や飲みこむ力が十分でない人たちのために作られた食品のこと。ケアを必要とす
る高齢者の増加に伴い、近年、様々な種類の介護食が出されているようです。

  今年の国際福祉機器展を見学した際に介護食「やわらか亭」をいただく機会があり、先日、事務所にて試食会を
行いました。

  介護食「やわらか亭」とは、森永乳業グループ病態栄養部門の専門会社クリニコの製品で、「国産のお米をやわら
かく炊き上げたごはんと、ごはんにかけるソースのセット」です。かたいものや大きいものが食べづらく、ものによっては
飲み込みづらいことがある方を対象に作られており、「歯ぐきでつぶせる」区分の介護食です。

  試食の一口目は、参加者みな「おいしい!」とビックリしたような感動の声。ごはんは柔らかく、噛みやすくて飲み
込みやすいけれど、一粒一粒は想像していたよりしっかりしていて、お米を食べて

いるという感じがします。水っぽさもなく、具材も小さいながらしっかり感じることができました。しかし、残念ながら、その
まま食べ進めるうちに「数口食べると飽きる」「ソースがおいしくない」「ご飯だけにして、好みのものをのせた方が良い
のでは」等のしぼんだ感想となっていきました。

 クリニコとしては、おいしさや食べやすさはもちろん、普段の食事や柔らかい食事で不足しがちな栄養素を無理なく取
れるよう栄養にもこだわっているそうです。味は四種類あり、常温でも食べられますが、電子レンジで温めた方がおいし
く食べられました。



 利用者の方を始め、「やわらか亭」をちょっと試してみたいという方がおられましたら、お気軽に事務所まで声をおか
けください。(賞味期限二月二八日)

 以下、試食会での勝手な思い思いの感想です。



※梅ごはん・・・梅の香り、酸味が足りない

※海苔ごはん・・・佃煮「ごはんですよ」をのせた方がおいしいのでは?

※カレーごはん・・・カレーとしては味や香りが今ひとつ

※麻婆ごはん・・・辛さひかえめ、カレーよりおいしいかも






4.障害者をとりまく状況あれこれ     新宿ライフケアセンター理事長  三澤 了



 皆さんは障害者権利条約という言葉を聞いたことがありますか。言葉だけならなんとなく、といわれる人も多いと思い
ます。どこの国や地域で暮らしていても、障害をもつ人が差別や排除されることなく、障害をもたない人と同等な扱いの
下で生きていくことを保障する条約です。2006年に国連で作られた条約です。現在はこの条約に120か国以上が批
准をしています。日本政府は2008年にこの条約を守っていくことを約束する署名はしましたが、この条約を日本国内
で有効に機能させるための批准(聞きなれない言葉ですが国会で決めるものです)という手続きは未だ済ませていませ
ん。条約は批准すると、憲法に次いで拘束力の強いものになるのですが、障害者団体の多くは、形だけの条約を持つ
ことに反対し、日本の障害者関連の法律や制度を条約で決めているものに近づけたうえで批准することを求めてきまし
た。そうした声を受けて政府は2009年1月に総理大臣を本部長とする「障がい者制度改革推進本部」をつくり、その
本部のもとに「障がい者制度改革推進会議」(推進会議)を設置し、法律や制度の見直し、洗い直しをすることにしまし
た。この推進会議は、25人の委員によって構成されていましたが、その半数以上を障害者とその関係者で占めるもの
にしました。これまで各種の政府の委員会や検討会では、当事者は重視されず、大学教授などの専門家といわれる人
が多くを占めていたことから考えると、大きな変革であり、画期的なことだと言えます。



 そして政府は、障害者権利条約の批准の具体的な条件として、@障害者基本法を抜本的に見直すこと、A障害者自
立支援法を廃止し、障害者総合福祉法を制定すること、B障害者差別禁止法を新たに作ることの三点を掲げました。
この三点の中で、障害者基本法は2011年6月に改正・障害者基本法として全面的なリニューアルをしました。また、
自立支援法に代わる福祉制度としては、障害者総合支援法という新たな法律が2012年7月に制定されました。この
総合支援法を作るにあたっては障害当事者や家族、事業者や自治体代表など55人の人が委員となった総合福祉部
会を推進会議の下に設けました。この部会では、介助サービス、相談支援、就労支援、居住サービス、等々について
熱心に論議をし、法律のもととなる骨格提言を55人の委員総意の下で明らかにしました。この骨格提言を貫くものは、
これまでの障害の機能的な重さ、軽さが物差しとなる医療モデルから、利用者の必要性や環境との兼ね合いを尺度と
する社会モデルへの転換であり、あくまでも障害者本人主体の支援の仕組みを追求したものです。しかし、この骨格提
言を総合支援法という法律にするとき、担当官庁である厚生労働省は骨格提言の30%くらいしか法律にしませんでし
た。厚労省は今の法律をあまり変えたくない、医療モデルを主体にしたものを続けたい、そしてできるだけ介護保険制
度と重なり合う制度として障害者の福祉制度を作りたいと思っています。ですから今回作られた総合支援法という法律
は、骨格提言からみると非常にレベルの低いものになってしまいました。3年後に見直したり、最終的に決める条項を
残した形で、この法律は2013年4月から実施されます。骨格提言と比べれば問題の多い支援法ですが、それでもこ
れまで障害者として扱われず何の保障もなかった難病の人が部分的ですが障害の対象になったり、これまでは重度の
身体障害だけが対象であった重度訪問介護というサービスが、市町村の裁量によって、知的障害や精神障害にも拡
大されるようになります。障害者団体の多くは、3年後にもっと骨格提言に近い法律にするよう必要な行動をとろうとし
ています。



 2010年に政府が決めた障害者権利条約の批准のためにクリアするものとした、3点のうち障害者基本法の抜本改
正と、障害者総合支援法(総合福祉法という名称ではなくなったが)の二つは、問題を残しながらもなんとか形にするこ
とができました。最後に残ったのは、障害者差別禁止法の制定です。障害者に対する差別や不適切な取り扱いをしな
い社会をつくるための法律です。この法律の基となるものを検討するために、先の推進会議では差別禁止法部会を立
ち上げ、25回に及ぶ論議を行い、ようやく2012年9月に部会意見としてそのあるべき姿をまとめました。現在の日本
の社会では障害者をあからさまに差別したり、蔑視したりする人は少ないかもしれません。でも「障害者だから仕方が
ないだろう」とか「障害者の利用はお断りします」などということは、まだまだ日本社会に数多く残っています。今回の法
律では、差別とは何か、どういうことをすることが差別となるのかということの定義を定めます。障害をもたない人と同等
な扱いとなるための配慮をしないこと(合理的配慮の欠如)も差別となります。さらに個別の課題ごとに必要な合理的配
慮の形も規定されています。そして肝心なことは差別をされたり、不当な扱いをされたりしたときにそれを解決するため
の紛争解決手段を設けています。こうしたものが出来上がれば、不当な扱いをされた障害者が泣き寝入りをすることな
く、まちを歩いたり、仕事をしたり、生活したりすることができるようになります。画期的なことです。

 多くの障害者にとって強い味方となる障害者差別禁止法は、これから政府によって法律案が作られ、国会で審議され
て法律になります。しかし簡単にはいきそうもありません。推進会議の部会意見としてまとめられたものはありますが、
それを法律にするには抵抗しようとする人たちも少なくはありません。市民の多くにもまだ理解をしてもらっていません。
国会でも「市民の権利」といったものを認めようとしない、政党も力を持っています。差別禁止法制定を阻もうとする高
い壁や分厚い力を乗り越えるためには、障害をもつ当事者が中心となって、その周りの人々、そして多くの市民へこの
法律が日本の社会を豊かでしなやかなものにしていくのだということを伝えていかなければなりません。ケアセンターに
集う皆さんもぜひ少しでもいいから関心を持ってください。






5.冬休みのお知らせ

   ケア依頼の受付は、下記の期間お休みします。

   12月29日(土) 〜 2013年1月6日(日)まで





6.編集後記

2012年も残りあとわずかとなりました。皆さんにとっての2012年はいかがだったでしょうか?

ちなみに今年の漢字一文字は『金』でしたね。個人的にはちょっとピンとこないのですが…。



2012年は天体ショーの当たり年でしたねぇ。

金環日食をはじめ、月食、金星食、流星群等々盛りだくさんでした。皆さんはいくつ観測しましたか?

わたくしはほぼ全部観ましたよ! 近いところではふたご座流星群を数個観測しました。

あっ、願い事するの忘れたっ!(笑)



今年も様々なご支援ご協力、ありがとうございました。

皆様にとって2013年が良い年でありますように…。



来年もよろしくお願いいたします。  事務局一同







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