ゆうゆう88号

2014年3月28日発行







日ごろな一枚






事務所近く、戸山公園の桜のつぼみ。(3月24日現在)



明日か明後日、東京は開花らしいです。



この機関紙が届く頃には、満開になっていることでしょう!



今年も花見が楽しみです!!



1.卒業生 〜便り




新宿ライフケアセンターとわたし

 「ケアスタッフ募集」のビラを初めて目にしたのは大学に入学したての頃で、4年後の自分がケアセンターの事務所で
ホールのケーキを食べまくったり、真冬なのにかき氷を作ったり、鬼のお面をつけて豆をまいたりしている姿は、とうて
い想像できませんでした。

 大学1年生から5年生の今まで、いろいろな方々に出会いました。利用者の方々やその家族の方々、事務局の方々
やケアスタッフの皆、たくさんお世話になり、たくさんの思い出があります。利用者の方々と出かけた数々の場所、一緒
に過ごした時間、私にかけてくださった優しい言葉、練習会や運動会での車いす全力疾走、大学でのビラ貼り、上映会
開催・・・数えあげればきりがないほど、様々な経験をさせていただきました。

 今まで支えてくださった全ての皆様、ありがとうございました。4月からは、ケアセンターの職員になります。まだまだ未
熟で迷惑をおかけしてばかりですが、日々勉強して成長した姿をお見せすることができるよう頑張るので、これからもよ
ろしくお願いします!                                    菅野 栞


Aさん

 Aさんと出会ってから約3年が経ちました。

 この期間で一番感じていることは、Aさんへの感謝の気持ちです。

 練習会からの帰り道、私たちは本当に様々なお話をしました。例えば、趣味の話や旅行の話、好きなスポーツの話題
です。これらの楽しい話をしていると、時間はあっという間に過ぎました。時には就職活動やその時抱えていた悩みに
ついてなどを聞いていただくこともありました。どんな悩みでも、Aさんからの言葉や、温かな笑顔を見ると、とても元気
が出て、気持ちも前向きになりました。

 私は、学生ケアスタッフに登録をする時、ケアとはどのようなものか全く想像ができていなかったので、正直不安を感
じていました。しかし、今改めて考えると、「ケア」の中で行われていることは、普通の対話や交流であり、特に気張った
りする必要はないのです。これは私だけでなく、ケアの内容はそれぞれ異なりますが、他の学生スタッフも同様のことを
感じているのではないでしょうか。

 学生ケアスタッフとして活動に参加させていただいたことで、多くの気づきや学びがありました。これらは、私が大学生
活で得た学びの中でも、実体験が基であるという点で特に記憶にも残りますし、重要なことであると思っています。そし
てそのうちの多くはAさんとの関わり合いの中で気づく事ができたと強く感じています。

 Aさん、本当にありがとうございました。                           起田 千晶





Bさんへ

 まず初めに、2年間という短い時間でしたがケアに入らせていただきありがとうございました! まだまだ頼りない私で
すが、2年前と比べて少しは成長したでしょうか?

 私がBさんのケアに入ることが決定したのは、2年前、私がケアスタッフになってすぐのことでした。車いすを押して歩
いたのは小学生の頃の体験学習以来というほど車いすに慣れていない私でしたが、Bさんは不満を口にすることなく私
のケアを温かく受け入れて下さいました。まだ手探り状態だった当時の私にとってそれは大変有難いことで、ケアに入
る度にのびのびと色んなことを覚えることができました。電車に乗って遠出するBさんに初めて一人で付き添って何事も
なく帰ってこれた時はとても嬉しかったことを覚えています。

 思い返すとBさんとは病院や近所のスーパーだけでなく、美術館や駅ビルなど都内様々な所に行きましたね。兵庫県
から上京してきた私にとっては知らない所、行ってみたかった所も多く、ケアの最中ではありますがBさんのガイド付き
で東京観光しているようで、とても楽しく付き添いをさせていただきました。それと同時においしいお店にもたくさん行き
ましたね。Bさんも私もおいしいものを食べることが好きで、よく食べたい料理や行きたいお店の話をして盛り上がった
ことを思い出します。特にBさんはカレーが好きということでこれまで複数のカレー屋に行きましたが、お店によって味が
全然異なっていて私はとても驚きました! Bさんが行きたいと言っていた他のカレー屋にも行ってまた食べ比べしたい
ですね。

 こうして考えてみると、車いすに関することから東京のことまで、Bさんのケアに入れていただくことで得た発見は数知
れないなーと思います。車いす利用者のお手伝いがしたい! と興味本位でケアセンターに登録したのですが、あの時
勇気を出して本当によかったです。まだまだケアに携わっていたいのですが、早いものでもう卒業です。4月からは社
会人となりますが、この2年間で得た色んな発見を活かして頑張っていきたいと思います。Bさんもお元気にお過ごしく
ださい。2年間本当にお世話になりました! ありがとうございました。         内海奈那子



Cさんへ

 Cさん、初めてお会いしたのは一昨年の12月でしたね。人見知りの激しい私は少し緊張しながらお部屋に入ったのを
覚えています。そんな私にフランクに接してくれたCさんの優しさに本当に救われました。

 この日を境にCさんのケアに入らせてもらうことになりましたが、当初のケアは今以上に拙いものだったと思います。
またケア中にご迷惑を多々かけたと思います。スポーツセンターの件、本当にすみませんでした。それでもCさんは私
の事を暖かく見守ってくれ、ケアに入らせてもらってからもその優しさに何回も救われました。

 Cさんは地域社協でのお仕事やPC教室、講演会の聴講など、アクティブに活動されていて私もよく同行させてもらい
ましたが、インドアな私とは対照的にアクティブに行動出来るCさんを羨ましく思いました。

 またCさんは饒舌で移動中色々なことを話しましたよね。障害者福祉や教育に関することから趣味の話まで、その範
囲は多岐に渡っていました。博学なCさんと話していると私の知識も日に日に増えていくのを感じました。真面目な話か
ら砕けた話まで、その多岐にわたる話の内容を興味深く聞かせてもらいました。

 Cさんのケアに入らせてもらったのは1年4か月という短い期間でしたが、そこで過ごした時間は他の場所で過ごした
時間より、はるかに密度の濃いものでした。

 私はCさんとの交流を通じ大切なことを学びました。ケアの方法や制度の知識はもちろん大事ですし、それもたくさん
学ばせてもらいましたが、それ以上に障害というものに対する考え方を学ぶことが出来ました。

 障害を持っていることを可哀想と考えたり、ある種タブーのように考える風潮は今でもあります。私はそのような考え
方になんとなく違和感を覚えていたのですが、その考え方が正しいのか自身が持てませんでした。

 でもCさんとお話をしたり多様な活動をされている姿を見るうちに、Cさんの障害に関する考え方に共感し、また私自
身の考え方に自信を持つことが出来ました。特にCさんによく聞かせてもらった多様性の話は特に共感を覚えました。

 またCさんの、困難と向き合う際に粘り強く行動し時間をかけて周りの理解を得る姿や、物怖じせずに様々な人々や
物事に関わる姿にも刺激を与えられました。

 私は今年の4月から社会人になりますが、Cさんのもとで学んだ価値観や物事に取り組む姿勢、周りの人々との関わ
り方は、社会に出て必要になるものばかりでした。それを学べたことは大きな財産になりましたし、学んだ事とは関係無
しにCさんという博学で魅力的な方とお知り合いになれたことは私にとって大きな財産です。

 最後になりましたが1年4か月、本当にありがとうございました。そしてこれからもよろしくお願いします。 竹場 洸





Dさん

 初めてケアに入ったときは、移乗や更衣の動きが慣れなかったこととDさんとの呼吸が合わなかったことで、とても苦
労したことを覚えています。徐々に慣れていくうちに呼吸も合ってきて、自分でもケアをすることが楽になりましたし、Dさ
んにとっても無理な姿勢をせずにできるようになったのではないかと思います。ご家族の方もとても明るくて、楽しくケア
をできました。運動会の機会などに、またお会いできることを楽しみにしています。



Eさん

 最初にお会いした時は「誰だろう?」と言う感じで、車いすを押している僕を何度も見上げていたことが印象的です。2
回目からは、すぐに認識してもらえたようでした。初めの頃は、家に入る際のスロープや玄関で苦労しましたが、今では
少しずつスムーズに入れるようになりました。昨年の運動会では同じチームで、玉入れで大活躍だったことを覚えてい
ます。競技に一緒に参加できて楽しかったです。また運動会などでお会いできると嬉しいです。     磯部 洋佑





Fさんへ

 私は、この2年半、Fさんのケアを通し、とても素敵な時間を過ごさせていただきました。Fさんをはじめ、F家のみなさ
んと出会えたことを、今、心から感謝しています。

 Fさんは初めてのケアの日を覚えていますか?

 初めてのケアの日、私は自分が受け入れてもらえるのか、本当に自分に務まるのか、と緊張と不安でいっぱいでし
た。しかし、そんな不安も、F家の明るさ、温かさ、Fさんの笑顔で、あっという間になくなりました。そして、回数を重ねて
いくうちに次第に慣れていき、いつしかケアに行くのが楽しみになっていました。

 私は主に入浴のケアをさせていただきましたが、ケアを思い出すととても楽しい時間を思い出します。気持ち良さそう
にお風呂に浸かり、大きなあくびをするFさん。顔を洗うのがちょっぴり苦手なFさん。お風呂あがりにうとうと夢の中に
引きこまれるFさん。ケアを通して、Fさんの色んな表情に触れることができました。

 そして、Fさんは、いつもゆったりマイペースなお人柄でしたが、私はそのマイペースさ、大らかさにいつも救われてい
ました。ケアの中で不手際も多く、たくさん迷惑をかけてしまったと思いますが、いやな顔一つせず、持ち前のマイペー
スさ、寛大さで、Fさんはいつもいつも温かい目で見守ってくれました。ありがとうございました。

 また、Fさんとは2回運動会をご一緒しましたね。中でも印象に残っているのが、1年目の運動会の車いす徒競走で優
勝したことです。ひたすら走る私と、ものすごいスピードにびっくりするFさん。ごめんなさい(笑)でもお揃いのメダルをも
らったこと、とても嬉しかったです。残念ながら、優勝することは2年ともできませんでしたが、Fチームの一致団結さは
どのチームにも負けてなかった自信があります!

 振り返れば色んな思い出がありますが、最後に。

 「誰かのために何かしたい」と思ったのをきっかけに始めたこのケアのお仕事ですが、それ以上にFさんから与えられ
たものの大きさを今、感じています。ケアを通して、自分自身が成長することができました。心からFさんに出会えて良
かったです。これからもいつまでも明るく笑顔いっぱいのFさんでいてくださいね!

 本当にありがとうございました。                                澤津橋 和枝


Gさん

 Gさん、お元気にしていますか? 練馬の施設はどうですか? 僕も一度だけご一緒させてもらったことがあります
が、中々広くてのどかな場所にありますよね。Gさんにとっては慣れている場所かもしれませんが、そろそろ家が恋しく
なっていませんか?

 僕がGさんのケアに初めて入ったのは2011年8月大学4年生の夏でした。それから2014年1月まで2年半弱ケア
に入らせていただきました。ちょうど僕の大学院卒業と同時にGさんもケアを卒業されて、お互いこれから新しい生活の
スタートを切っていく(Gさんは既にスタートしていますが)ことになります。本当に長いようであっという間でした。まず最
初に、僕はこの場をお借りして謝罪させていただかなければなりません。僕はこの2年半という間にケアをポカするとい
う大失態を犯していました。その際、Gさんのお父さん、お母さんに、そして何よりGさんには大変なご迷惑をかけたこと
心よりお詫び申し上げます。しかし、そんな僕をいつも暖かい言葉で許して下さり、チャンスを下さり本当に救われまし
た。僕がいかに不完全な人間であるかを自覚し、今後の人生において同じ過ちは繰り返さないと心に誓うきっかけにな
りました。本当にありがとうございます。謝っても謝りきれないのですが、いつか成長した姿で再度謝りに行かせてくださ
い! これ以上はきりがないので、僕の懺悔はこの辺にしておきます。

 そしてGさん、今までありがとうございました。僕がケアを始めたのは、先輩に誘われるがままに始めたのがきっかけ
で、最初はすごく不安もありました。同時に、Gさんにも色々不便をかけたかと思います。Gさんは身体、知的両方に障
害があり、もちろん僕は特別な知識や経験もなかったので、当初どうすればいいのか困惑しながらケアをスタートしたこ
とを覚えています。しかし、いつの間にかコミュニケーションできるようになっていた気がします。ケアの間隔があくと牛
乳をぶちまける恒例?の洗礼も多々受けましたが、それもいつしか見破れるようになりました(笑) 最初は自分でどう
すればいいのかを考えてケアをしていましたが、Gさんがどうしたいのかという事を考える余裕が出来てきてから変わっ
たのかもしれません。眠たそうとか、のどが渇いていそう、お腹がいっぱいそう・・・とか、Gさんの顔に書いてある気がし
てくるのです。Gさんと過ごしたほんの僅かな時間でしたが、じっくりと相手と接して人付き合いをしていくことの重要性を
学ばせて頂いたと思います。Gさん、長い間ありがとうございました。楽しかったです。

 昨今、携帯やスマートホンが普及し、ソーシャルネットサービス(SNS)等によって簡易なコミュニケーションは今まで
にもまして取れるようになりました。しかし、Gさんとのケアを通して、人と人とが対面してコミュニケーションを取っていく
事がいかに重要か、また楽しいかという事を認識しました。大学で医療福祉ロボットの研究をしてきた僕が言うのもなん
ですが、ロボットでは絶対に出来ないと確信しております(笑) これから、ケアに入っていく後輩たちには、僕が最初に
していたような一方通行のケアではなく、是非ともしっかりと利用者の方とコミュニケーションを取りながら、そして何より
お互いに楽しみながら一緒の時間を共有してケアに入ってほしいと思います。

 最後に、Gさん、またそのうち成長した姿を見せに行きますね! お元気で!! 今までありがとうございました。

                                                    横尾 勇樹






2.ケアセンターあれこれ



1月

・運動会練習会1回

・ケアスタッフチームミーティング1回

・ドキュメンタリー映画『逃げ遅れる人々〜    東日本大震災と障害者』上映会開催



 早稲田大学総合人文科学研究センター「現代の危機と共生社会」研究部門(代表 浦野正樹教授)、『逃げ遅れ
る人々』早稲田大学上映実行委員会(早大生ケアスタッフチーム・NPO法人新宿ライフケアセンター・新宿おひさ
まの会)共催



2月

・運動会練習会1回

・ケアスタッフチームミーティング1回

・筑波大学附属大塚特別支援学校見学

・「第7回車いすをつかってあそぼう」開催



 「わせだ地区スポーツ・文化事業協議会」主催。新宿区社会福祉協議会、アビリティーズ・ケアネット株式会社よ
り、子ども用車いすの貸出にご協力いただきました。

・平成26年度介護職員処遇改善加算届出書提出(介護保険)

・平成26年度福祉・介護職員処遇改善加算届出書提出(障害)



3月

・運動会練習会1回

・ケアスタッフチームミーティング1回

・2013年度新宿区社会福祉協議会地域ささえあい活動助成報告書提出(運動会)

・2013年度新宿区社会福祉協議会備品整備・施設整備助成金報告書提出

・平成26年度地域福祉振興事業助成金交付申請書提出(工房)

・卒業生をお祝いする会開催



「三澤了さんの遺志を継ぐ会」開催のご案内  4月21日・18〜20時・灘尾ホール






3.ニュースポーツを体験!

      「ニュースポーツEXPO in多摩2014」

 3月15日(土)、昭和記念公園で開催された「ニュースポーツEXPO in多摩2014」に行ってきました。ニュースポー
ツとは、1980年代より新しく考案、紹介されたスポーツ群のこと。レクリエーションの一環として楽しめるようアレンジさ
れており、難しいルールや高度な運動能力は必要なく、様々な年代で楽しむことができます。

 この日紹介されていたニュースポーツは23種目。車いすで一緒に楽しめる種目もいくつかあり、体験してきました。も
しかしたら、運動会や練習会などでチャレンジできるかも? その中のひとつ、「ラダーゲッター」をご紹介します。





ラダーゲッター

・ルール

紐でつながっている2個のボールをラダー(はしご)に向かって投げ、ボールがラダーに引っかかるとポイントになる。7.
5Mの距離から2チームが交互に投げ入れ、ぴったり21点先取したチームが勝利。



・投げ方

片方のボールを手に持ち、もう片方のボールを下に垂らしてゆっくり前後にスウィングし、ボールが後方回転しながら飛
んでいくように、アンダーハンドで投げる。



    

    地面にバウンドしていずれかのラダーにボールが引っかかると5点







4.編集後記

昭和記念公園に行って来ました。相変わらずだだっ広い公園ですねぇ。

相変わらずと言っても前回行ったのはほぼ30年前、今年で30周年を迎えるらしいので開園ホヤホヤの時です。

当時はまだ大部分が造成中で、車いす用トイレはたくさん建っていたものの使用できたのはわずかでした。通路はきれ
いにできていましたが、土が盛ってあるところもちらほらあり、ちょっと荒れた広大な原っぱを散歩しているような気分に
なったのを覚えています。

今はすごきくきれいで立派な公園になっていました。高台にもエレベーターで上がれるし、芝もあまり深くないので車い
すでも通ることができます。ふわふわ感があって気持ちいいですよぉ。ただ、自分でこいでも押してる介助者も、結構ハ
ードですけどねっ!笑





トップへ
トップへ

戻る
戻る


Copyright (C) shinjuku-life-care-center All rights Reserved.