ゆうゆう94号

2015年 8月14日発行











  日ごろな一枚

               





食虫植物の三点セット。



手前から、ハエトリソウ、モウセンゴケ、ムシトリスミレ。



最近、事務所で育て始めました。ちっちゃい虫が結構捕まってますよ。パクッ!!




1.工房製作物紹介  机周りの工夫

 車いす利用者であるAさんから、「使用中の机と鉛筆立てがもっと使いやすくなるように工夫したい」という製作依頼が
寄せられた。

 現在使っている机は、前傾姿勢を取りづらいAさんの身体の状態に合っておらず、書き物をする際などに不便を感じ
ているとのこと。また、使用中の既製の鉛筆立ては取り出しづらく床に落としてしまうこともあるため、Aさんにとって使い
勝手のよいものを製作することになった。



 机は、楽な姿勢で書き物ができるよう天板に傾斜をつけることに。机の天板そのものに傾斜をつけることは難しいた
め、合板を使って傾斜のついた台を製作した。どのくらいの傾斜角度にするかについては、Aさんと確認・調整を重ねな
がら決定した。

 鉛筆立ては、何本も入っている状態から必要な一本を取り出す際に、他のものも一緒に出てしまうことがあり、床に
落としてしまうとのこと。そこで、一本一本が取り出しやすく且つ何が入っているか見やすいよう、細かく仕切られた作り
にすることに。材料に何を用いるか検討し、加工しやすい障子紙の芯を使って製作を進めた。障子紙の芯はカットして
並べ、取りやすい位置である目の高さに合わせて設置した。



    





いたずら工房ピノキオでは、「こんな用具があったら助かるのに」「ここを直したら、もっと使いやすい



ものになるのに」と、障害者・高齢者が思い描くものをかたちにしていくための活動を行っています。



当事者本人が製作の中心となりながら、自分に合ったものをつくりだす。ケアスタッフとともに、もの



づくりの楽しさや喜び、障害について考えていく機会を共有し、互いの理解を深めていく場になればと



考えています。






2.かゆい所に伸ばして届く! 磁石付き孫の手『のびのびの手』

 背中がかゆい! でも手が届かない! そんな時に活躍するのが、みなさんご存じの「孫の手」ですね。孫の手と言え
ば昔ながらの竹で作られたものを想像する方も多いと思いますが、この「のびのびの手」はステンレス製で、最短一
七.五センチという小ぶりな作り。しかし、その小さな見た目とは裏腹にとっても気の利いた優れものなのです。

 まずはその伸縮性。使わない時はボールペンサイズまで縮むのに、使う時には最長五二センチまで伸びるため、か
ゆい所に合わせて長さが調整できます。また、ちょっと離れたものを引き寄せたり、隙間に入り込んだものを取る時に
も活躍してくれます。

 そして最大のおすすめポイントは、磁石付きだということ。柄の先端に、強力磁石が付いているのです。例えば床に何
か落としても、クリップや鍵など、磁石が付くものなら車いすからでも簡単に拾うことができます。

 ステンレス製なので手軽に洗えるのも嬉しい! 孫の手としての務めを十分に果たしつつ、リーチャー代わりにもなっ
てくれるおすすめグッズです。



 購入先:ドン・キホーテ



     






3.助成していただきました  〜軽量タブレットPCで情報収集〜

 この度、新宿区社会福祉協議会による備品整備・施設整備助成金(2014年度)の交付を受け、軽量タブレットPCを
購入しました。本助成事業は、株式会社日本財託様からの寄付金により実施されたものであり、深く感謝申し上げま
す。また、会員の皆様からの寄付金も一部充当させていただきました。心より御礼申し上げます。

 このたび導入したタブレットPCは軽量のため、利用者の方のお宅へうかがう時に手軽に持参することができます。こ
れまでも、「あそこへ行きたい」「こんなことに困っている」などの声が訪問時に出ることがあり、そのたびに一旦持ち帰
っていました。しかしタブレットPCがあることで、利用者の方とその場で共に調べることができ、一緒に考え進めていくこ
とができるようになりました。

 利用者のAさんがこの日調べているのは、近々お出かけする予定のテーマパークです。じっと真剣に画面を見つめな
がら、「このレストランはおいしそう!」「このショーが見たい!」など、顔をほころばせます。スタッフと共に操作し、交通
の便やレストランのメニューなど、知りたい情報をその場で入手しています。

 「タブレットPCを使って何か調べてみたいな」という方は、ぜひお気軽にお声かけください!






4.ケアセンターあれこれ 



4月

・運動会練習会1回

・平成26年度新宿区障害者福祉活動事業助成金報告書提出(機関紙)

・平成26年度地域福祉振興事業実績報告及び精算書提出(工房)

・平成27年度 福祉介護職員処遇改善届出書提出(障害)

・平成27年度介護職員処遇改善加算関係届出書類提出(介護保険)

・平成27年度新宿区障害者福祉活動事業助成金申請書提出(機関紙)

・新宿区介護予防支援業務説明会参加



5月

・運動会練習会2回

・新宿区障害者団体連絡協議会月例会参加

・新宿区社会福祉協議会地域ささえあい活動助成金申請書提出(運動会)



6月

・運動会練習会1回

・ケアスタッフ勉強会「車いす介助」「排泄介助」

・ケアスタッフ親睦会

・平成27年度新宿区移動支援事業事業者説明会参加

・新宿区障害者団体連絡協議会2015年度総会参加

・2015年度通常総会開催





2014年度事業報告

 ケア事業部門については、利用者のニーズや生活状況に応じて、介護保険法による訪問介護、総合支援法による障
害福祉サービス、制度外の介助サービスを行っています。12月に予防訪問介護の指定をを受け、要支援1・2の方に
も対応できるようになりました。年齢や生活状況の変化により利用できる制度が変わっても、切れ目のない連続した支
援体制を取れるよう取り組んでいます。一方、安定したケアの提供・質の向上を目指し、様々な工夫や視点を盛り込み
職員及びケアスタッフの育成を図っていますが、財政的基盤が脆弱な中、利用者の要望に十分応えられていない現状
は継続しています。

 工房部門については、ケア事業部門や企画運営事業部門との連携を通じてニーズが掘り起こされ、一人一人に合わ
せた丁寧なものづくりに取り組んでいます。昨年度導入した3Dプリンタを有効に活用するため、今年度は太陽生命厚
生財団の助成を受け設計ソフト及び材料を購入し、新たなものづくりにチャレンジしました。9月には、財政難が大きな
理由ですが作業場所を事務所内に移転し、2月には洲崎福祉財団の助成により事務所トイレ改修工事を実施、車いす
トイレを設置しました。限られた条件の中での改修のため十分とは言えませんが、利用者が安心して活動できる環境
整備を行いました。さらに、工房での製作物等の成果は、冊子やホームページを通じて情報発信され、広く地域に還元
できるようにしています。

 また、今年度末には社会福祉協議会の助成金を活用し、持ち運びしやすい軽量タブレットPCを導入しました。ケア事
業部門や工房事業部門の中で、利用者自らが必要な情報を入手し、次なる生活改善や社会参加への意欲に繋がって
いくよう活用しています。



 2014年度は昨年度の財政状況の悪化を踏まえ、利用者のニーズの掘り起こしや事業形態の見直し、各助成金の
活用、寄付金の要請など様々な取り組みに努めてきました。しかし、財政状況の厳しさは依然として続いています。

 利用者の高齢化、及び家族の高齢化によるニーズの変化も生じてきている現在、センターの役割や理念を再度確認
しつつ、当事者団体であることやきめ細やかな柔軟な対応ができるという当センターの特性や強みを活かし、活動を展
開していきたいと考えています。



【事業内容について】

●介護保険事業(居宅介護支援/介護予防支援/訪問介護/予防訪問介護)

●障害福祉サービス事業(重度訪問介護/居宅介護/移動支援)

●介助サービス提供事業(自費)

●障害者・高齢者の生活環境整備を行う工房(いたずら工房ピノキオ)

  製作活動(2014年度活動報告冊子参照)

  3Dプリンタの活用

  作業場を事務所内に移転 2014年9月より(保管物については別途倉庫を利用)

  財団法人東京都福祉保健財団助成事業訪問調査2015年1月

●その他イベントや研修会の開催(企画運営事業)

  障害者と地域の人々がともに参加する運動会及びその準備会の実施

  地域スポーツ・文化事業「車いすをつかってあそぼう!」の実施

  介助技術講習会等の実施

  新宿区立あゆみの家の見学

  国際福祉機器展の見学

  筑波大学附属大塚特別支援学校見学

  ケアスタッフチームミーティングの開催

●機関紙発行等の広報事業

  機関紙「生活交差点ゆうゆう」年5回発行

  メールマガジン隔週月曜日発行→ケアスタッフチームが担当

  ホームページの管理

  NPO・ボランティアサイトへの登録





2015年度事業計画

 ケア事業部門では、制度内・制度外のサービスを問わず安定したケアの提供と質の向上が図れるよう努めていきた
いと考えています。障害福祉サービスから介護保険制度利用へ移行する利用者、要支援の介護認定を受けた利用者
など、各自のニーズに対応していけるよう体制づくりを進めていきます。

 当センターの各事業が相互に連携することで、より良い作用を生み出していくことを目指します。また、地域の各関係
機関とのネットワークづくりに向けて取り組み、その成果を活動に反映させていきます。

 今年度は4月に介護報酬単価の減額が実施され、更に厳しい財政状況にあります。しかし、職員及びケアスタッフの
安定した労働環境を整備していくため、介護報酬の加算申請等をはじめ事業収入の確保、各助成金の申請や寄付金
の要請等を行っていきます。そのためにも信頼の得られる組織であることを目指し、SNSの利用などインターネットの
有効な活用についての検討を行いながら、広く当センターの活動成果を情報発信していく必要があると考えています。
多様な人が多様なかたちで当センターの活動に関われるよう、企画運営事業の内容や情報発信、広報活動の在り方
等、更なる検討を重ねていきます。

 安定した運営を行うための基盤整備に向けて課題は山積していますが、2014年度の成果を足がかりに、新宿とい
う地域に根ざした活動を展開していきたいと考えています。



【事業内容について】

●介護保険事業(居宅介護支援/介護予防支援/訪問介護/予防訪問介護)

●障害福祉サービス事業(重度訪問介護/居宅介護/移動支援)

●介助サービス提供事業(自費)

●障害者、高齢者の生活環境整備を行う工房(い たずら工房ピノキオ)

  3Dプリンタを活用したものづくりへの取り組み

●その他イベントや研修会の開催(企画運営事業)

 新宿区はスポーツ環境整備方針の中で、障害の有無や年齢、性別に関わらず、誰もが気軽に参加できる「アダプテ
  ッド・スポーツ」を推奨しています。また、2020年には東京オリンピック・パラリンピックが開催されることから、当セ
  ンターが過去10年の運動会開催を通じて培ってきた創意工夫を更に生かした活動に取り組んでいくことを目指しま
  す。

●機関紙発行等の広報事業



2015年度役員体制

 理事長   畑山 正子

 副理事長  阿部 浩

 理事    刈谷 裕/草野 雅史

 監事    杉森 知子





7月

・運動会練習会2回

・ケアスタッフ勉強会「入浴介助」

・新宿区障害者福祉課集団指導参加

・公益財団法人車両競技公益資金記念財団

 平成27年度高齢者、障害者に対するボランティア活動に対する助成事業申請書提出

・平成27年度一般財団法人松翁会社会福祉助成金申込書提出

・新宿区社会福祉協議会備品整備施設整備助成金申請書提出

・平成26度処遇改善実績報告提出(障害)

・平成26年度介護職員処遇改善実績報告書提出(介護保険)








5.夏休みのお知らせ

ケア依頼の受付は、下記の期間お休みします。

8月11日(火)〜17日(月)まで







6.編集後記

残暑お見舞い申し上げます。

夏前半は暑い日が続き、文字通りの酷暑でしたね。さて後半はいかがでしょうか。あまりキツい暑さはもう勘弁してほし
いです。

写真は表紙のハエトリソウのアップです。パクッといかれそうです。 晩夏

                         






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