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    ゆうゆう106号

2018年 2月12日発行

1.新宿稲荷探訪 〜初午や 柳はみどり小豆飯(横井也有)〜
2.新宿ライフケアセンター発 競技種目のご紹介
3.フェイスブックはじめました!

4.『現役とOBOGによる

     ケアスタッフの勧誘活動のお知らせ』

 日ごろな一枚

        

全国的に大変な大雪に見舞われていますね。みなさんがお住まいの地域は大丈夫

でしょうか?

1月は、東京でもびっくりするくらい降りました。事務所前の雪かき中、あまり

の雪の多さに思わず雪だるまを作ってしまいました。



1.新宿稲荷探訪 〜初午や 柳はみどり小豆飯(横井也有)〜


 1月の下旬にはめったに無いような寒波が訪れ、新宿でも屋根の際から雪解けが滴るにぎにぎしい音を聞くことができました。とは言え朝夕の暗がりはピンと張り詰め、涙腺にくるような厳しい日々でもあります。こんな時は部屋の中でぬくまり、うつらうつらと船でも漕いでいるのが最上ですが、厚着して外に出るのもまたいいものです。せっかくこんなに冬めいているんですし、今の時期を目に焼きつけてあと1〜2ヶ月も待てば、新しい季節を迎えた時きっともっと嬉しくなるでしょう。そこで今回は北風吹きすさぶ中、近くの早稲田水稲荷神社に行ってきました。ここでは3月末に初午祭が開かれます。


       


早稲田水稲荷神社 〜立派なお社と裏のたくさんの狐〜


 水稲荷神社は新宿区西早稲田の3丁目、早稲田大学本キャンパスの傍で、大きな庭園の隣にあります。この庭園は「甘泉園」と言って、以前ゆうゆう69号でも取り上げました。かつての尾張徳川邸の跡地に作られた木々の多い回遊式庭園です。道路沿いにある正面の神社入り口は階段がありますので、車いすで行く場合は、脇の道がゆるい坂になっていてそこから入ることができます。

 入り口の方には大きな堀部安兵衛の碑があって、題字は総理大臣にもなった西園寺公望だというからまじまじと見つめてみました。びっしりと並んだ漢字の群れは、どうやら高田馬場で起きた血も滾らん決闘を克明に描写している……ようですが、この寒天に読むには堪えるのでまたの機会にしましょう。

 玉砂利の道を奥の方に進むと、向かって右に大きな鳥居が見えてきます。境内に入ってからは、石畳がごつごつとして車いすで行くのはけして楽ではありません。そして更にやっかいなことに、拝殿の前にも拝殿自体にも上るには階段を越えなければなりません。早稲田水稲荷神社は残念ながらバリアフリーではないんですね。そうして見えてくる拝殿はそこまで大きくはありませんが、梁や柱の朱がきれいで立派なものです。向拝の装飾も荘厳で、鈴なんて五つもぶら下がって全部鳴らせばどんな音がするんでしょう。ぴっと構えた2匹の狐も面構えがごっつくて犬より強そうです。

                  


 狐といえば、水稲荷にはたくさんいるんです。まず拝殿前の2匹がいて、そこから右の方に行くと「耳欠け神狐」といって右耳の欠けた狐がいます。これがまたユーモラスで、イタチかオコジョみたいにつるんと細長く、ちょうど飛び上がって前足を着地したところで固まったような出で立ちです。なんでも体の痛いところと神狐を交互になでれば痛みが和らぐのだとか。狐はまだまだいて、社殿の裏側に行くと小さな社いくつかと小山があって、小山にある自然石の石段を登れば大小10匹がぞろぞろ出てきて驚きました。真ん中の社を囲むように、ちゃんと1匹1匹に赤い前掛けがついておのおのゆるりと座っています。この小山というのが、この水稲荷神社の大本である富塚古墳なのです。

 水稲荷神社は元は現在の早稲田大学の本キャンパス(9号館裏)にあって、そこにあった「富塚」の上に稲荷大神を勧進したのが始まりだそうです。この富塚というのは一説にはこの辺の「戸塚」という地名の起源とも言われています。江戸時代に書かれた観光ガイドブック、『江戸名所図会』にその由来について書いてありました。要約しますと、「この辺りにある古い塚に白狐の住む巣穴が「狐塚(こつか)」と呼ばれており、それが訛って「戸塚」となった。そしてその塚が水稲荷の塚、つまり富塚のことではないか」と。実際に富塚古墳には穴が空いていて、穴の奥には小さな鳥居が立っていました。富塚古墳に狐が集まっているのもそういう理由からでしょう。

       


 話がそれました。富塚にあるので当初この神社は富塚稲荷などと呼ばれていたのですが、江戸時代に入ってご神木の大椋から眼病に効く霊水が湧き出して、さらにご信託で「我を信仰する者には火難を免れしむべし」とあったがために水稲荷と称されるようになりました。その後戦災でご神木は焼け落ち、早稲田大学との土地交換で富塚古墳ごと今の場所に遷座した、というのがこれまでの歴史です。そんなわけで水稲荷神社は現在でも新しい社殿を建て祭事になれば人々の集う立派な神社としてやっています。境内社の高木神社・北野神社などは早稲田大学合格に御利益があって人気なようです。

 さて、そうは言っても自分が訪れた1月の末頃は受験シーズンも微妙に外れていて、参拝客は一人しかいませんでした。境内にはまだ雪が残り、せっかくの朱塗りの拝殿もどこか鮮やかさを欠いているような気がします。もちろんこれはこれで寂びた趣がありますが、寒いのが嫌なときは少し先のことを思い浮かべても罰は当たらないでしょう。

 水稲荷神社では2月3日に節分祭が開かれます。年女に年男が御神楽殿からお菓子やみかんを投げるそうです。まだ寒いのでもっと先、3月27日は旧暦では2月11日、初午(はつうま)の日です。水稲荷神社では初午祭が開かれ、『初午開運守』を頒布する外、弓で的当てをして吉凶を占う『オビシャ(御歩射、御備射)』の儀式が執り行われます。初午とは京都伏見稲荷の稲荷大神が伊奈利山へ降り立った日で、オビシャの儀式は「いなり」という言葉の語源を記した『山城国風土記』の逸文を想起させます。かつて稲作で裕福だった伊侶具秦公(いろぐのはたのきみ)が餅を的にして弓を射ると、餅はたちまち白鳥となって飛び立ち、降りた山に稲が成ったためにそこに社を建てて「いねなり」、つまり「いなり」と名付けた、そんなお話です。

 初午までくれば日も長くもうだいぶ暖かくて、今とは違った眺めになっていることでしょう。雪は無く空気は緩んで、境内は人々で賑わっています。境内の木々も精彩を取り戻し、狐たちの前掛けも光って見えるでしょう。的が二つ立ち、それぞれ鬼と福と書いてあります。古めかしい服を着た氏子たちに与えられた矢は二本、和弓を絞ります。当たったり外れたり豊作か凶作かを占ったりして、すぐそこまで来ている春を迎えるのです。そんな日を待ちに、もしくは先取りしに、一度水稲荷神社に足を運んでみてはいかがでしょうか。           (今井 徹) 

      



早稲田水稲荷神社

住所:新宿区西早稲田3〜5〜43

電話番号:03(3200)4621

最寄り駅:JR山手線「高田馬場」駅から都バス「西早稲田」下車徒歩3分

      東京メトロ東西線「早稲田」駅から徒歩10分

都電荒川線「面影橋」から徒歩3分

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2.新宿ライフケアセンター発 競技種目のご紹介!

  〜子どもから大人まで、障害があってもなくても一緒に参加できます〜


 昨年11月、毎年恒例となった「新宿ライフケアセンター運動会」を行いました。早いもので、今回で13回目の開催。回を重ねるごとに改良を加え、時には失敗もし、試行錯誤を繰り返しながら少しずつ現在のかたちを作ってきました。良くも悪くも相変わらず手作り感満載の運動会ですが、手探り状態だった初期の頃に比べると見違えるほどそれらしく(?)なってきています。

 各競技の内容やルールは、参加する利用者や家族、ケアスタッフ、子どもたちが互いに競い、協力し、楽しめるものになるよう、時間をかけて創意工夫してきたものです。まだまだ改善点はありますが、13年かけて培ってきた経験は、きっとケアセンターから離れた場所においても活かすことのできるものなのではないか、と考えるようになりました。

 そこで今号から、運動会や準備会などで実際に行っている競技種目の紹介をさせていただきます。障害があってもなくても、夢中になって同じ時間、同じ空間を共有することが、巡りめぐって豊かな地域社会を育んでいくひとつの可能性となるように。読んでいただいたみなさんの身近な場所で、何かヒントとなるようなことがあれば嬉しい限りです。


【バルーンゴーゴー】 (チーム対抗)


・3人1組(うち2人車いす)でジャンボ風船を空中でパスしながらゴール枠に入れる。

・ゴールにシュートできるのは車いすに乗っている選手だけ。

・ゴールしても、チームメンバー全員が必ず1回は風船に触れていないと失格。車いすに乗っていない選手がシュートした場合も失格。

・進行中に同じ人が続けて二回打ったり、風船を地面に落とした場合はその時点で失格。

・ゴールは枠内の地面に風船が着いた時点。


      

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3.フェイスブックはじめました!


  〜ケアスタッフ募集中!〜


 昨年の秋から、試行錯誤しつつ始めたフェイスブック。

 新宿ライフケアセンターのことをより多くの方に知っていただくために、また、今まで様々な形で活動に携わっていただいた、たくさんの人たちとの繋がりを大切にしこの輪がもっと広がっていくように、そんな想いを込めて日々の様子をフェイスブックにアップしています。

 今年の4月で新宿ライフケアセンターは30歳になります。この間、社会情勢や福祉の制度は大きく変わり、情報の有り様も大きく変化しました。一方時代は変わっても、ケアを必要としながら地域で生活する人たちが存在し、そこに関わる人たちと様々な人間関係が育まれていくことに変わりはありません。

 フェイスブックを見ていただいている皆さま、ありがとうございます。一部ですが、フェイスブックに寄せていただいたコメントを機関紙ゆうゆうにも掲載させていただきます。学生はもちろん、お勤めしている方やリタイア組の方々、子育て真っ最中のママからベテラン主婦まで、いろんな方がケアスタッフとして関わっていただければと思います。今後とも皆さまのご支援、ご協力をお願いいたします。


https://www.facebook.com/shinjukulifecarecenter/



私もスタッフとして携わっております。

西早稲田にある「新宿ライフケアセンター」。

メインは障害者・高齢者の方の介護の仕事です。

ただ、いわゆる施設での仕事ではなくて、利用者の方と2人で買い物やイベント(運動会、勉強会etc.)に出かけたり、時には一緒に旅行へ行ったりと、日常に寄り添う形で関わり合うことが出来ます。

そんな中、いま本当に学生スタッフが足りてません! 少しでも興味のある方がいらっしゃいましたら、ぜひご連絡ください。身の回りの方にもぜひ広めて伝えて欲しいです。

利用者の方も、事務所スタッフの方も、本当にあたたかい人たちばかりです。

よろしくお願いします。


夏原 彬



かれこれ5年前から自分もお世話になっています。

(いまだ運動会の優勝経験はありません・・・)

現在、運動会や普段のケアを手伝ってくれる方を探しています!

普段のケアでは高齢の方や障害を持つ利用者の方たちの生活の一部を支えるため、一緒に出かけたり必要なものを試行錯誤しながら作ったりすることで、たくさんのことを学ばせてもらっています。

興味がある方、もしくは興味がありそうな人を知ってます!という方でも良いので是非DMやコメントでご連絡ください!!!


加藤 陽



とても暖かい人たちがあつまる場所。

学生時代に関われて良かったです。

学生スタッフ募集中とのこと!


窪田 美春



大学時代に活動していた「新宿ライフケアセンター」は、故・三沢了さん(元・DPI[障害者インターナショナル]日本会議議長)はじめ、名うての当事者たちが立ち上げた団体だ。否、それは普通のニーズを抱えた、普通の人たちが立ち上げた、と言った方がよいのかもしれない。


僕が永らくお世話になったある役員の方からは、いわゆる障害者運動の気骨、エッジ、しなやかさ、ユーモアだけではなく、学生には縁遠かった都内の名品名店、美味しいものを食べさせていただき、悪い遊びもいっぱい教えてもらった。


聡明博学、短気で呑気な方で、けっしてカタギではないというような覇気が感じられた。

あまり細かなエピソードは控えるが、映画のような、マンガのような武勇伝の数々を、毎回楽しみに聞いたものだ。

高田馬場と早稲田界隈をともに闊歩し、彼の生活における、いくつかの場面、風景をともに見た。


また、毎年恒例の国際福祉機器展にも同行した。各ブースに並ぶ最新鋭の展示品を、片っ端から論破していくという性格の悪さが、僕は大好きだった。


とにかくカッコよかった。


街を目的外使用する。


彼によって、街の見え方が変わった。

生き方が変わった。


もう10年以上前のことになってしまったが、僕の中であのカッコいい日々の出来事たちは、いまでも生き生きと動いているのだ。


伊藤 暁


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4.『現役とOBOGによる

     ケアスタッフの勧誘活動のお知らせ』


 年々学生ケアスタッフが減少し、今年の現役生はわずかになりました。今後のスタッフの勧誘も現役生だけではとても大変な状況です。そこで、OBOGの皆さんの力をお借りできないでしょうか? 新年度の春、4月頃に早大などの入学式で現役OBOGが一体となってビラ配りの勧誘をやりたいと思います。(詳細は今後メルマガやフェイスブックなどで連絡します。)

 年度初めで皆さんお忙しいかと思います。一日だけでも、午前だけでも、30分だけでも有難いです。一人でも多くの方からの参加をお待ちしています!!

                                       中島 康貴(当日福岡から参加します)


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